第894回 原体験教育研究会例会 2013/04/05


★第894回 例会報告

■参加者:泉,中永,廣瀬,大西,高田要,高田昌,斉藤,Ted,高相

本日,めでたく大学院に入学された斉藤さんが参加されました。神戸聴覚で小・中・高校生と様々な実験などを楽しんでこられた方で,その蓄積は半端ないようです。原体験のレベルアップに貢献していただけそうで大歓迎です。

 

☆自然観察の要

■おいしいミカンの見分け方

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斉藤さんが,売り物になるほど立派なミカンをたくさん自宅の庭から持ってきて頂きました。原体験の皆さんに美味しいミカンの見分け方について伺おうとしましたが,自然観察の要でも分かりませんでした。ただ,泉さんによると温州みかんでは,軸が丈夫そうな物より細い方が甘いのだそうです。

 

*斉藤さんの持参してくださったものは、おそらく、八朔(ハッサク)と甘夏の2種類。昨日、生果商の方に聞きました。美味しいの定義は個人の好み、とくに、夏みかんは酸っぱいのが好きという方も多いとか・・・そのうえで、絶対ではありませんがの前提で「八朔は表面ツルツル、球形でなくやや平たい形が、甘みのあるバランス良い食味」「夏みかんは表面ゴツゴツ?が、さっぱりした酸味の引き立つ美味しさ」ですと。また、重さも一つの指標、軽いのはパサパサ。ご参考に。

 

■キブシ鉄砲

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キブシの枝の髄は,白くて密なスポンジ状になっています。昔はこれを押し出して鉄砲の玉として遊んだそうです。中空になった枝は,笛や飾りにも使ったそうです。

*旧暦で祝うお雛様、キブシの花期と重なります。髄を塗箸で抜き、お雛様の飾りに使うのですが、根気のない私は、すぐに飽きて短いものしか作れず・・・飾りに程遠いもの。造形的な飾りを作っていく友人たちの横で、数センチの髄をポンポン、押し出しては散らかし・・・はぁ、今と同じ。成長しておりません。

 

■空豆の風船

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葉を指でこすっていると,表皮と葉肉との間に隙間ができてきます。葉柄側をカットして息を吹き込むと,プク〜ッと膨らんでペチンと音を立てて割れるそうです。

昔の子どもの遊びでしたが,なかなか難しいテクニックでした。

 

■ベニシジミのさなぎ

P1030034P1030026前回紹介された幼虫が蛹化しました。幼虫もそうでしたが,愛らしい成虫とはほど遠いダンゴムシのような蛹にガッカリ?

汚名返上?で,ぜひ羽化する瞬間を見てみたいと思いました。

 

☆Gentaiken Teachers Labo

■フェルメールのカメラ箱

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カメラオブスキュラをご存じだろうか。これは現在のカメラの原型になった道具です。レンズを被写体に向けて筒を前後させることでピントを合わせられる。中には鏡が地面に対して45度に設置されていて上には罫線が入ったスクリーンがあって像が写る。スクリーンに映った像は鏡に反射した像なので,左右が反転する。

実は,この原理を利用した道具を使って昔の画家達は絵を描いていたという。驚いた事に,フェルメールもこの道具を使ったと言われている。最近話題の「真珠の耳飾りの少女」は,この道具を使って絵を描いたのではないかとも言われている(諸説はあるようですが)

 

インターバルレコーダー「レコロ」|KING JIMによる植物観察

実売価格5000円以下Amazon.co.jp: レコロ というインターバルカメラです。小学校の理科や生活科、生徒指導にも活躍しそうな、中永がイチオシのカメラです。中永も現在桜の開花を撮影中ですが、高田要さんも植物の発芽を撮影して来られました。

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According to Walter Liedtke of the Department of European Paintings, the Metropolitan Museum of Art, Vermeer was keenly interested in comparing his work against direct observation. He devoted a lot of attention to the behavior of light and other optical effects such as focus and perspective. “These qualities may have been inspired by an interest in the camera obscura, but its importance to the artist has been greatly exaggerated. His compositions are mostly invented and exhibit the most discriminating formal relationships, including those of color. In addition, Vermeer’s application of paint reveals extraordinary technical ability and time-consuming care.”[1]
Citation:
[1]Liedtke, Walter. “Johannes Vermeer (1632–1675)”. In Heilbrunn Timeline of Art History. New York: The Metropolitan Museum of Art, 2000–. http://www.metmuseum.org/toah/hd/verm/hd_verm.htm (October 2003)
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Did you know that the concept of the camera obscura was known as early as the 5th Century BC? The first recorded mention of the principles behind the pinhole camera or camera obscura belongs to Mozi (Mo-Ti) (470 to 390 BCE), a Chinese philosopher.[1]  Mozi called this device as a “collecting plate” or “locked treasure room.”[2]
Even the Greek philosopher Aristotle (384 to 322 BCE) noticed, but couldn’t explain, that during a partial eclipse of the sun, the openings between the leaves of a tree cast images of the sun on the ground.[3]
Citation:   http://en.wikipedia.org/wiki/Camera_obscura
[1]^ Needham, Joseph. (1986). Science and Civilization in China: Volume 4, Physics and Physical Technology, Part 1, Physics. Taipei: Caves Books Ltd. Page 82.
[2]^ Ouellette, Jennifer. (2005). Black Bodies and Quantum Cats: Tales from the Annals of Physics. London: Penguin Books Ltd. Page 52.
[3]^ Aristotle, Problems, Book XV

■インスタントスノー(人工雪)

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季節外れですが,以前から購入していたフェイクスノー作りを,みんなで体験しました。材料はポリアクリル酸ナトリウムという,吸湿性の高い白い粉です。ポリアクリル酸ナトリウムには2種類あって,紙おむつに使われているものとは違うタイプです。

ほんの2gの粉に100mlの水を注ぐと,あっと言う間にコップからこぼれるほど膨れ上がりました。触ると気化熱で冷たく感じるのも本物ぽくって面白い!

 

☆Books Eye

■動く絵本「Safari」←動画

P1030039IMG_2044紀伊国屋のWEBサイトで購入できる洋書です。一目見て皆さんが色めき立ったところでハウマッチ!3000円〜1万数千円まで。何と送料込みで2215円というコスパの高さにビックリです。見る角度を変えると違う画像が見えます。何枚かの画像をコマ送りのように見せる表面加工がなされているようです。

*高田(慶)さん、ご紹介に感謝。ふふふ・・・早速、購入しました。百聞は一見に如かずの典型です。動きの面白さだけでなく本の色調や壮丁もいいんです。

*本当によくできた本ですね。似たようなものが作れないかとインターネットで検索してみたら・・・なるほど。かまぼこ状の凸レンズのシートがあって、その下には細かく刻んだ写真があるのですね。やってみたい方は、レンチキュラーで検索してみてください。

■おもしろ栽培ハンドブック

IMG_2045P1030041牛乳パックで野菜を,ペットボトルで稲を育てるなど,様々な栽培の工夫とノウハウが盛りだくさんの本です。学校現場で,食育や環境教育にからめて重宝しそうです。

 

 

 

☆From School 

■メダカの失敗しない飼い方

できるだけ広いところで。40㎝水槽にメス3オス1ぐらいの少数で。飼う場合はエサはできるだけ与えない。水温が上がり日長が長くなったら,エサを与えて卵を産ませる。水草はホテイアオイがよい。

昨年4月中旬,勤務校のメダカ池に野池からすくってきた黒メダカ30匹を入れ,プールの泥や藻を適当にほりこんでおきました。6月になるとメスがたっぷり抱卵していました。一夏すぎると300匹以上に増えていました。しかし,理科室のヒメダカはどんどん死んでいくばかり。濾過装置,水草,日当りなど至れり尽くせりでしたが,それがあだになったようです。

 ☆諸連絡

■新データベースについて

検索について,ボタンやリンクのさせ方を含めて検討しました。予算内でより良い物になるよう検討を重ねる必要があります。

 

■ やしろの森のイベント

参加者は少ないですが,実施することに決定。前半に自然観察,後半に野草の天ぷらを実施すること,次回,各自のやってみたい原体験を持ち寄ることで共通理解しました。

昨日、新たな参加の申し込みがありました。参加者数は7人になると思います。

原体験教育の原点を見直す機会として意味あるものに していきたいと思います。

☆本日のおやつ

P1030015・嫁菜とイカナゴのくぎ煮入りおいなり

・ウーロン茶のケーキ

おいなりさん,旬なくぎ煮や嫁菜入りというのが原体験的でもあり,ありがたいです。

 

 

 

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