第897回 原体験教育研究会例会 2013/04/26


★第897回 例会報告

■参加者:山田先生,古寺,廣瀬,泉,志水,中永,高田(昌)高田(要)梶原,Ted,斉藤,鈴木,眞山

物理準備室にソファーが入ってから手狭になり,メンバーが座りきれない状態です。参加者が比較的多いことはうれしいことで,より密に話し合いなどができそうではあります。

加えてうれしいのは。新実験紹介や話題提供が多いことです。数が多すぎて時間が足りないほどです。まさにうれしい悲鳴です。次回はホワイトボードに持ちこまれた実験や話題を書いていき、整理しましょう。

 

☆自然観察の要

■3種類のアケビ

P1030193P1030200P1030201アケビ=小葉5枚,ミツバアケビ(三葉あけび)=小葉3枚,ゴヨウアケビ(交雑種)=小葉5枚。実物3種を比較できることはめずらしいのではないでしょうか。アケビは秋の実はよく見るのですが、花を見るのは初めてです。野趣があり可憐な花です。これだけ集めるのは大変だったと思います。ありがとうございます。

■オオムラサキの幼虫①

P1030228P1030231春に目覚めた3齢幼虫です。普通は3月初めに目覚めるのですが,エノキがまだ育っていないので,4月下旬まで冷蔵保存していました。これから成虫になるまで,国蝶がどのように成長していくのか見てもらうよう持参します。

オオムラサキの幼虫には背中の突起が4対ありますが,3対のものはゴマダラチョウの幼虫です。

■クマバチの口吻

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IMG_2189枯れた桜の枝に,ドリルで空けたような丸い穴が。そこから顔を出したのがクマバチでした。また今の時期,フジの花にたかって盛んに蜜を吸っています。

つまり,吸う口とかじる口が存在するはず。マイクロスコープでアップしましたが,枯れ木をかじる大アゴを見ることはできませんでした。

■カスミサンショウウオ

P1030235梶原さんが卵から育てたという貴重な生体です。エサは赤虫ですが,ここまで育てられるんですね。赤虫を飲み込むようになるまでが大変だったそうです。

 

 

 

 

☆Gentaiken Teachers Labo

■締まる砂やドロ

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斉藤さんのリベンジ実験です。1つ目。容器に入れた砂に水を含ませ,5㎜ほど水がたまった状態にしておきます。それをギュッとにぎると水が消えてシャーベット状になります。ゆるめて振ると,再び水が浮かび上がってきます。2つ目。容器に入れた水入り砂を両脇からグッと押すと水が消えて砂が固まります。緩めると,また水が下からにじみ出てきます。これらは,砂浜を走るとき,波打ち際を走ると走りやすい=踏みしめると砂がギュッと締まって固くなるから。田んぼのぬかるみに足を取られ,焦って力任せに引き抜こうとしても抜けないが,落ち着いてゆっくり抜けばスッポリ。という現象の説明になります。

 前回の皆さんの反応から思いついた実験です。私も子ども時分に川で遊んでいて怖い経験をしました。ダイラタンシーネタはまだまだこれからも続きます。この色つきの砂は購入したものですが、次回はみなさん砂に色を付けてアートしてみませんか?ちょっと原体験らしくなります(^^;by.S

■液状化

P1030246P1030247上記の容器をバイブレーターで振動させます。すると,重い鉄球が沈み,埋めていたピンポン球が浮かび上がってきます。さらに,溢れ出てきた水がピチョピチョと飛び跳ねます。見事に地震による地盤の液状化と噴砂が再現できるモデル実験です。

さあ、ここまで来たら、片栗粉orコーンスターチでやるしかありませんね。次回は、汚れてもいい服装で来てくださいね。

 

■レインボーリングでいろいろ実験

P1030273P1030275P1030278P10302862〜3つ繋いで端から振動を与えると,地震のP波のような粗密波が観察できます。色がカラフルなので動きがわかりやすいと感じました。1つをぶら下げておいて手を放すとどうなるか。上に上がってから,一瞬止まってから,縮んでから・・・落ちる様子を予想してから実験です。結果は,一瞬で縮んで落ちるが正解でした。(驚いたことに下端は静止してるのです。これも次回撮影して検証しましょうね。S)上をつかんで回転するように揺らします。それをストロボライトで照らすと,きれいな連続模様が見えました。お土産にもらった人は,お礼の意味でも,次回にアレンジ実験を考案してきましょう!

■Rainbow in your Hand

P1030318Masashi Kawamura氏が考案したミニブックです。ページを素早くめくると,残像効果で虹色の弓が見えます。黒い紙をバックにして見やすくする工夫も含め,お見事な作品です。

 

 

 

■夢のレインボー扇風機

P1030292P1030307P1030294P1030299ネットで見つけた扇風機のアレンジ実験です。白い3枚羽根をシアン・マゼンダ・イエローに塗り分けます。回転させると虹色に見えるという写真つきの紹介でした。しかし,実際に見えたのは薄汚い茶色!志水さんによると,標準色でも混色されて黒っぽい灰色になるだけで,虹色にはならない!どうやら,カメラの目でしか虹色にはならないようです。せっかく作ったので諦めきれず,ストロボライトで点滅を調整して,やっといろんな美しい状態を観察することができました。夢はお手軽ではありませんでした。

※人間の眼って面白いですよね。なぜ色が分かるのか、なぜテレビはRGBの三色を使うのか・・、カメラと自分の眼の感覚は違うって説明に利用できますよね。

■アルコールストーブの燃焼

P1030211P1030252P1030266IMG_2199中永さんの地元の方が自作された加圧?加熱型?アルコールストーブの燃焼を観察しました。ネットでいろんなタイプが紹介されていますが,制作者によると,震災時などに役立つグッズだそうです。思いのほか炎が高く燃え上がって迫力があり,実物体験の有り難さを感じました。これを作られたのは藤原邦憲氏。試作数なんと3台でその熱意たるやかなりのものです。アルミ缶を主材料として、ホームセンターで手に入るものばかりで製作されています。その火力は怖いほど強力です。私の地元の文化祭の作品としててんじされていたのを借りてきました。氏は中学生に工作させることも考えておられるそうで、今後の展開を楽しみにしています。

 ■自然学校だより

自然学校の目指すもの
「野に遊び 自然に触れ 自然に学ぶ」をモットーに“自然に学ぶ”ことを目指しています。先ずは座学でなく野外に出て自然の事物事象に直接的主体的に触れ体験することです。最終的なねらいは「自然を学ぶ」ではなく「自然に学ぶ」です。“自然を学ぶ”のが自然科学のねらいですが「に」となると感性的な情感をも包含しています。解り易く言えばエビやカニのような節足動物は堅い殻で体を覆いしかも運動出来るように足や体に節をもっています。昆虫類も卵や幼虫や蛹の時期などの生活環を有して環境の変化に対応しています。鳥類は翅や羽毛で、哺乳類は体毛で包まれて冬眠などするものもあり環境に適応しています。植物も表面は毛や凹凸やワックス質で身を守っています。研究者や技術者はこの自然の仕組み「を」学びさらにこれらを飛行機やロボットや水着にまで応用し取り入れています。子どもたちにもこの「自然に学ぶ」の糸口を意識して自然教室ができないものかと模索しています。

南但馬自然学校 自然のページ

☆諸連絡

■ やしろの森のイベント予定

 

☆本日のおやつ

P1030191P1030188P1030209IMG_2181・野草の天ぷら

・クレソン&ベーコンののパスタ

明日の社の森でもやる予定の野草の天ぷらです。ウド・ゼンマイ・タラの芽などテッドさん達が摘んでこられた野草を,その場で天ぷらにしてもらって美味しくいただきました。クレソンパスタも普通の?家では味わえない春の恵み。「幸せだ」というつぶやきが聞こえてきました。

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