★第924回 例会報告
参加者:山田先生,高田要さん、TEDさん,高田昌慶さん、泉さん,古寺さん,梶原さん,志水さん,中永さん,廣瀬さん,斎藤さん,城さん、江口さん
☆Gentaiken Teachers Labo
■Pendulum Wave(波打つ振り子?)
2014年の幕開けにふさわしい斉藤さん・高田さんの実験セットが持ちこまれました。例会で披露された高田さんの実験装置としても最上級の力作ではないでしょうか。振り子の長さによる1往復にかかる時間の違いを利用しています。規則に従って正確に吊られた振り子が波のように動いて姿を変えていきます。まるで動くアートです。
斉藤さんが計算式で振り子の長さを正しく算出されたので,変化の規則性がよくわかり30秒で元に戻る装置になりました。Pendulum Waveは,以前から様々なタイプがネットで紹介されています。そう言う意味では目新しさはありません。
斉藤さんオリジナルは,添え板を使わず,振り子の振幅を揃えて同時に振り始めさせる方法です。これは目から鱗で効果絶大です。左右の支持柱を両手で持ち,全体を傾けます。計算どおりの20°でさっと元に戻すだけで,全ての振り子が揃って揺れ始めます。規則性もよりきれいに見て取れるようになりました。すばらしいアイディアです。
また,振り子の公式は近似式であること,周期は振れ幅によってわずかにずれることも教わりました。小学校では,重さ・振れ幅では周期は変わらないと教えているのに・・・
Pendulum Waveがなぜこのような動きをするのか、初め分かりませんでした。そこで感じたことは、発想の転換をしなければならないこと。人間って、やはり過去の経験や学習をもとに物事を考えているのですね。それが、強すぎると邪魔になっていることも教えられたような気がします。
■空気の温まり方を見せる工夫(スモークマシン)
尼崎の中田真一さんに教わった,ストーブとスモークマシンを使った提示法です。吹き出す温風に乗せてスモークを焚きます。意外に早く煙は上に向かい,温められた空気が上に上がる様子をダイナミックに見せることができます。しかし,予備実験で大量のスモークを焚いた場合,煙が中空に集まって濃く見えてしまうという不都合が起こりました。天井付近は約17℃,中空は約14℃,床上2㎝約12℃でした。なぜ,天井に煙が溜まらず中空に滞留するのかという疑問を皆さんに考えてもらいました。
・温度躍層で煙や霧が中空で漂うのと同じではないか。極端な温度変化をする層があって,それ以上に煙が上がれなくなっている。
・煙にも重さがあり,重力と上昇気流のせめぎ合いの結果が中空滞留ではないか。
・上に上がった空気の温度は下がってくる。そこへ新たに高温の空気が上ってくる。だから,先発舞台は中空に押し下げられているのではないか。
・教室でやるといろんな制約がある。60㎝水槽とミスト発生器,お湯と氷で上昇気流や対流を見せることができる。
・体育館でファンを上にむけて,風船を上まで吹き上げようとした。しかし,スイッチを入れてすぐにやるとほとんど上がらない。しばらく時間をかけると流れができるので天井まで上がる。
・空気は目に見えず軽い物だが,案外動きにくく粘性もあるので,水・壁のように障害になる。
・竹田城後から見える雲海が美しいが,低山で見られる雲海は,気温差が大きいとよりきれいになる。
・本質を追究する科学をそのまま教育的に扱うことはできない。理解させるためには可視的にインプットした方が,子どもは将来的に前に進めるのではないか。それで,科学と教育との兼折り合いをつけて,あえて結果として正しいであろう形に修正して見せる。
さすがに原体験です。様々な考えや経験が沸き上がってきて楽しい時間でした。
☆話題あれこれ
■新データベース
まだ使いこなせていないうちから公開されてしまいました。マニュアルや使用法の説明をもらってないので,改めてそれらを要請する予定です。
■社の森:冬のイベント
梶原さんから予定を知らせてもらいました。原体験プログラムとして確立するためにも,手ごたえを感じられる活動にしたいですね。
☆本日のおやつ
・ドイツ帰りのテッドさんのお土産:2種のチョコと可愛いグミ,そしてリコライス。 甘草のエキスが入っているので美味しいとは言えませんが,ありがたい健康に良さそうなお味でした。テッドさんご本人は,恐れずパクッと口にするのは「さすが原体験!」とニッコリ。
・山田先生、廣瀬さん、古寺さんにもおやつを差し入れていただきました。今年初めも,ごちそうさまでした。