第907回 原体験教育研究会例会 2013/07/12


 ★第907回 例会報告

参加者:山田先生,古寺さん,中永さん,志水さん,梶原さん,高田(要)さん,高田(昌)さん,Tedさん,向田さん,

今日が907回、年間40回の例会をしたとして、22年間かかる計算です。よくぞ重ねたものです。

 

☆自然観察の要

■クマゼミの羽化

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PM8:57

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PM9:28

今日の自然観察の要はセミの羽化です。中永が原体験例会に行こうとすると、連れて行ってくれと言わんばかりに足下に幼虫がよってきたのです。そして、ケースに入れて研究室に行き山田先生にお見せしようと差し出したところ羽化していました。時間が経つと,広げて伸ばしていた羽根を右のように閉じました。

 山田先生によると、

「一番おいしいのはエゾクマゼミ」

とのことですが、食用に見えるほど羽化したてのセミは美しい姿をしていました。

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IMG_2490別室のカーテンにとめていた幼虫が10時過ぎに羽化していました。蛍光灯が点いている明るい部屋でしたが,関係ないようです。静かにしておく必要があるかもしれませんが。

セミの羽化は午後9時頃から観察できるので,3〜6年の子ども達に夏休みの宿題として,毎年出しています。しかし,実際に見た児童は2〜3割止まり。なぜ,この美しくも神秘的な羽化を観察しないのか,させないのか(保護者)。理解に苦しむのは,理科オタクだからでしょうか。山田先生によると,網をかけて木に登る幼虫を捕まえておられたそうです。その場で羽化してしまいそうですが,朝まで幼虫のままだそうです。つまり,登らないと羽化のスイッチが入らない?これは,羽化観察を教室でできる可能性があるということではないでしょうか。やってみます!

 

☆Gentaiken Teachers Labo

■ロウソクの消える順番

最近例会でブームの「考えるカラス」からの問題を高田さんが実験に組み立ててくださいました。前回は炎上した実験ですが、今回は結果に正解がないおもしろい実験ということで一同納得しました。最後は,山田先生のご提案で,上に氷を置いて冷やしてみました。すると,消え方が変わってきましたが,法則性は見いだせませんでした。

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最も小さいコップ

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少し大きいコップ

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背の高いコップ

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太くて大きいコップ

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四角い水槽

 

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氷で冷やす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これも,山田先生の「条件によって結果は違うんだよ」というアドバイスをいただいたおかげです。四角い水槽以外は,NHKの結果通り長い方が先に消えました。しかし,四角い水槽では様子が一変! ほぼ同時ながら,短い方が先に消えました。それでも,再現性が確かではなく,接触面の気密性も関係してくるということです。関連要素が多くて,子どもに対照実験として提示するには無理があることが判明しました。いろんな意見が出て楽しめました。

 

■「考えるカラス」問題

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蒼井優

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蒼井優の手元

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よおく考えておいて

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考えるカラス

 

 

 

 

 

 

 

その他の問題にみんなで挑戦。歴戦の原体験メンバーですが,正解は山田先生お一人。大昔からある問題もあるそうで,今にして出てくるのはなぜ? しかし、どれも山田先生は以前に書いた本で紹介ずみとのこと。今は手に入らないのが残念です。

 

■温度計の得手不得手

山田先生から温度計の話が出ました。身近な温度計として、アルコール(灯油)温度計と水銀温度計がありますが、今までその使い分けなど考えてもみませんでした。水銀温度計は正確ですが使用可能温度はー50℃から650℃まで、アルコール温度計はー200℃から200℃までが使用可能温度です。つまり寒冷地ではアルコール温度計を使い、暖かい所では水銀温度計を使うとのことです。さらに調べてみると温度計には棒状温度計と二重管温度計、全浸没温度計と浸没線付温度計があるとのこと。理科の授業で液体の温度を測るとき、普通は全浸没温度計を使っているので注意がいることもわかりました。

日本計器株式会社

 

☆From School

■夏至と気温

テッドさん説

テッドさん説

月別データ

月別データ

旬別データ

旬別データ

 

 

 

 

 

 

 

高田さんの今夜2つ目の話題提供は、太陽高度と気温、南中高度と気温です。七夕集会で,子ども達に話をしましたが,難しすぎて・・・。1日の最高気温は太陽の南中時刻より2時間遅れ(2/24=1/12)の午後2時頃となっています。まず地面が温まり,輻射熱で空気の温度が上がってくるからです。同じように年間の変化を考えると,太陽高度が最も高く昼間が最も長い夏至の時期が最高気温ではなく,ズレが生じるはずです。夏至6/21より最高気温は1ヶ月(1/12)ズレて7月下旬。テッドさんによると,梅雨明けの1〜2週間後が最も気温が高いという認識だそうで合っています。でも,8月の方が最高気温ぽい。姫路のデータで調べてみてグラフ化しました。最高は8月上旬と下旬。平均すると,やはり8月が最も暑い。そして,2月が最も寒い。こちらも冬至から1ヶ月半ほどズレが出るようです。

 

☆本日のおやつ

アイスキャンデーを買い食いすることがないので,子どもみたいに2本もいただきました。しかし,子ども時分に,一度に5本食べた子が疫痢になって亡くなっているので,食べ過ぎには注意しなければ。

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