第852回 原体験研究会例会 2012/03/23


参加者 山田先生、古寺、廣瀬、中永、向田、高田(慶)、高田(要)、Ted、水野、松岡、髙相

本日は今年度最後の例会となりました。そんな中、今日も再び、高田(慶)さんが用意してくださった実験で夢中になり、気がついたら12時を過ぎてしまいました。また、水野さんも岐阜からはるばる参加していただき、ネタを披露してくださいました。

 

■お釈迦になるという語源は?

お釈迦になるという言葉は鋳物職人が阿弥陀像を鋳るはずが、誤って釈迦像を鋳てしまったことからきていると言われている。江戸の訛りで「ひ」と「し」の発音が同じだったこと(「火が強かった(しがつよかった)」と、釈迦様の誕生日「4月8日(しがつようか)」を掛けたしゃれとも言われる。(「語源由来辞典」<お釈迦(おしゃか)様 – 語源由来辞典>)

しかし、昔の人はお釈迦様をしゃれに使うだろうかという議論に。山田先生の見解としてお釈迦=如来、悟る人であり、悟ってしまったら人間おしまいだ、という意味でお釈迦になるという事が解釈できるのではないのかと話になった。皆さんはどうお考えでしょうか。

 

■植物観察の 要

左上: コタネツケバナ 左下: ノミノフスマ 右: コハコベ

コタネツケバナは少し乾燥気味の校庭、道ばた(脇)に群生する。

タネツケバナはちょっと湿った環境に群生。

・コハコベ、ミドリハコベの見分け方(

おしべ3〜5=コハコベ

おしべ6〜8=ミドリハコベ

写真はコハコベが巨大化したもの。環境によって巨大化したのだろうか。

ハコベはハコベとウシハコベの2種と思い込んでいて、 えーっ?!そんな種類があるの?と驚きです。一見しただけで同定ができるといいのですが・・・(廣瀬)

本日(平成24年3月25日)、実家(養父市)で鹿追(“しかぼい“と発音)という日役(村の共同作業)がありました。鹿・イノシシ・熊などの獣害に悩まされた村は現在鉄製の柵で囲われているのですが、その中に入りこんでしまった動物を、爆竹やロケット花火を使って追いだすのです。大きな鹿を発見し、追いかけてはみるものの、追いつけるはずもありません。参加者30名ほどがクタクタになっただけで成果はありませんでした。途中からは雪が降り出し、真冬のような天候で、木々のつぼみも堅く、春を感じさせるものが何もない中でしたが「タネツケバナ」だけが咲いていました。でも今から思うとこの「コタネツケバナ」だったのかも知れません。「タネツケバナ」で検索すると、「ミチタネツケバナ」「オオバタネツケバナ」など10種類もの仲間が出てきました。なかなか奥の深い植物だったんですね。(中永)

 

■シンプルモーター 高田(慶)より

シンプルモーター

銅の針金、単3電池、ネオジム磁石、ねじ釘、電池ボックスを使って、簡単なモーターを作ることが出来る。これは、フレミングの左手の法則に則った実験である。電流(中指)、磁界(人差し指)、力(親指)で説明できるかな?

しかし、このままの状態だと電池ボックスの金属部分が抵抗になり、勢いよく回らない!?

今回あえて電池ボックスと銅線を使ったのは、後のHomopolar motor Ⅱ の追製作の前振りです。成功するのに4日かかりました。何と電池ボックスの金具の導電性が悪く、そのため電流が弱まって高速回転しなかったのです。こんなことがあっていいのでしょうか!その苦難の道を、皆さんにちょっと追体験してもらいたかったんです。

廣瀬はまんまと?高田さんの思惑にはまりました。高速回転どころか、全く回りませんでした。音を立てて回ると思っていたのに。とほほ・・・

 

中永さんと向田さんが、金具がネオジム磁石にくっつきにくい金属であることに気づかれ、いったい素材は何なんだろうと話題になりました。正体は不明のままですが。 

白色で(メッキ?)で導電性の悪い金属ってあるのでしょうか。しかも安価な金属だと思われます。ハンマーで強く叩くとネオジム磁石にわずかにくっつきました。なぜ?

 

■置物にもなる?Homopolar motor Ⅱ

Homopolar motor Ⅱ 

材料・・・スチレンボード、単3電池、ネオジム磁石大4つ(全てダイソー)、ねじ釘、銅線スチレンボードをカットして、ホットボンドで写真のように組み立てます。電池のマイナス極に直接銅線をセロテープで固定します。プラス側の金具は取り除きます。その穴からプラス極に、ねじ釘とネオジム磁石2つを磁力でくっつけます。なお、電池ボックスなしでもOKです。左側にネオジム磁石2つをテープで貼り付けます。互いに引き合う向きにすることと、微妙な間の距離がポイントです。銅線が磁石に触れるように調整すると、ねじ釘+磁石が勢いよく回ります。ぶら下がりはもちろんのこと、逆立ち・斜め・横回転と、角度は自由自在です。

※ショート回路なので発熱注意! 回らないまま放っておくとアチッ! 電池もどんどん消耗します。

今回も前回同様、要さんが回転系に強いことが立証されました。なんで?

科学工作として、このモーターの完成度こそすごいと思います。ただ、まわる理由の説明がいまいちピンと来ません。「フレミングの左手の法則が、どうたらこうたら・・・」は、理解はできても「そうか!わかった!」という感動がありません。今年の「えっちゅう」の実験候補ですので、感動を与えられる(わかった気にさせる)説明を考えたいと思います。 

 

■自走するコロコロモーター  高田(慶)より

コロコロモーター

先ほどのシンプルモーターと同様の原理で、電池と磁石がコロコロ転がっていきます。単4電池の両端にネオジム磁石ミニを3つずつくっつけます。(単3/単5に磁石大2つずつでもOK)磁石の同じ極が向かい合うよう電池にくっつけるのがポイントです。銅線の先を、磁石に少しひっかかるように加工します。銅線を電池の両端に付いている磁石にかけると、電池がひとりでに回り出します。銅線の調整がなかなか難しく、夢中になります。ネオジム磁石は磁力が強いので、試す方はパソコン、カメラやクレジットカードを近づけないように要注意です。

※シンプルモーター同様ショート回路なので発熱注意!

 

■起き上がりこぼし 水野さんより

手作り起き上がりこぼし

起き上がりこぼし裏側

 

発泡スチロールの球の下部にねじを差し込み、その反対側にかわいい爪楊枝が差し込まれている。仕組みは簡単だがバランスが取られていて、懸命に起き上がろうとするキリンさんがけなげに見えた。

オモリを大きめのねじ釘にしたのがシンプルかつ効果的です。かわいいプラ爪楊枝を刺してあるので、子どもが喜ぶでしょうね。完成度の高さがハンパない!!

 

■ピンホールカメラとレンズ付きカメラ 水野さんより

ピンホールカメラ

レンズ付きピンホールカメラをカメラ越しに見てみると…

 

水野さんが出席され、久しぶりのネタを披露していただきました。また、データベースの打ち合わせも一気に進展し、うれしい来訪でした。水野さん、遠いところからでご苦労様ですがまた来て下さいね。

水野さんがよく用意してくださるこの円錐状の筒は強度も十分でいろいろな工作に使えそうです。しかし、このあたりでは手に入りにくいと思っていたら、高田要さんの知り合いから大量入手できるそうです。以前紹介していただいた笛もぜひ子ども達に作らせたいと思います。 

 

 

 

 

■本日のおやつ

左:古寺さんより今川焼き・御座候 右:廣瀬さんよりラスク、マーマレードケーキ、ごまパウンドケーキ

 

本日もごちそうさまでした!

マーマレードのケーキと黒ごまケーキ、シンプルなラスク。でも、本日のおすすめは、実は飾りの菜の花とふきのとうです。(廣瀬)

工作準備に忙しくて十分賞味できずに残念でした。

御座候は、関東では、「今川焼き」と呼ぶらしいですね。私の生まれた養父市では、「回転焼き」と呼んでいました。播磨地方ではもちろん御座候。姫路駅の近くには御座候博物館「あずきミュージアム」まであります。

私の生まれた滝野町(現在加東市滝野)でも「回転焼き」と呼んでよく食べました。御座候とちがって皮が硬く、香ばしかったです。その回転焼きが懐かしく思い出されます。残念ながら、その後、革の硬い回転焼きにお目にかかったことがありません。(梶原)

あずきミュージアム|御座候

かなり本格的な建物ですが、入ったことはありません。博物館1階には販売店もあり、御座候で一番腕のいい職人さんが焼いてくれるのだとか。

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