第909回 原体験教育研修会例会 2013/08/30


★第909回 例会報告

参加者:山田先生,増澤先生,泉さん,梶原さん,菅野さん,鈴木さん,高田昌慶さん,眞山さん,志水さん,廣瀬さん,中永さん,大西さん,向田さん

毎年,夏休み中は集まりが悪いのですが,7時スタート時にはすでに4人も顔を出していただけました。2学期に向けて元気をもらって再スタートできそうです。

☆Gentaiken Teachers Labo

■簡易浄水装置

3層濾過

3層濾過

1種ずつ濾過

1種ずつ濾過

右が砂

右が砂

砂に墨汁

砂に墨汁

 

 

 

 

 

 

 

泉さんが,途上国で汚れた水を濾過できないかという課題に挑戦。日本では,昔から樽に墨・シュロの葉・砂利を詰め込んで浄化して使っていたそうです。今回は,簡易版としてペットボトルに濾過材(砂・ピートモス・砂)を詰め込んででトライ。

昔の浄化は,貯めた水の上澄み液でやったそうです。見た目で判断できるように,泥水・墨汁を濾過してみました。布か不織布で濾過材の層を分け,積み重ねました。結果は,ラスボス墨汁もほぼ無色透明に。見た目きれいになったが,どこに吸着されたのでしょうか。3つに分けて実験すると,ある程度厚みがある砂がベストでした。ただ,粒度が問題ですが,ホームセンターの砂場用の砂で成功しました。しかし,砂を水で洗うとOKですが,表面活性剤で洗った砂ではダメ。また,墨汁は粒子が大きいので捕まりやすい。赤インクのような細かい粒子の危険物はどうかという懸案が出ました。

砂で濾過すれば濁りは取れるので,途上国では価値ある結果ではないでしょうか。しかし,今回のような急速濾過では,バクテリアが残っているので煮沸消毒や塩素殺菌が必要。緩速濾過を太陽光下でやれば,紫外線殺菌だけでなく,微生物が有機物やバクテリアをほぼ濾過できるそうです。ただ設備が大変で,途上国の実態には即さないようです。

竹水や木にドリルで穴を開けて出てきた水は,生物内を通っているので安全だそうです。また,江戸時代は,流れている表面の水が美味しいとされたようです。ちなみに犬は,水道水より,メダカの泳ぐ鉢の水を好んで飲むそうです???

日本でも50年前は、山の水を濾過せずに飲んでい所が多かったと思います。但馬にあるわたしの村でもそれぞれの家が山の水をためて飲み、雨で濁ったときでもご飯を炊くときには鍋などにくんでしばらく置いた水の上澄みを使っていました。おかげでピロリ菌は在住していますが・・・。なお、この装置、最初に出てくる水は元々濾過層にあったきれいな水がトコロテン式に押し出されて出てくる場合があるので注意が必要ですね。

その点について以前問題になりましたね。質問すると,以前の砂よりずっと粒子が細かいので大丈夫だそうです。

 

■原体験・3Dドラゴン

IMG_3399廣瀬さんが準備された首振りドラゴン。

久々の登場でしたが院生大喜び。見える人でよかった!

 

 

 

 

大型モンキーハンティング←動画

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発射装置全体像

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レーザーポインタ照準器

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電磁石で吊られているmonkey

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アルミ箔が切れてmonkey落下

 

 

 

 

 

 

愛知物理の林熙崇さんが開発された「モンキーハンティングの銃 」を村田憲治さんが改良されました。http://physics.atnifty.com/pdf/010214.pdf

何年も前の情報なのですが,ようやく追試することができました。発射口のアルミホイルは,他の方のアイディアです。550Wのブロアーを使ったので,距離を10m以上に延ばすことができました。照準さえ合っていれば,自由落下の原理で必ず命中することがわかりました。玉が重いゴルフボールなので,距離を延ばすためには,的のサルの位置を高くする必要があります。泉さんと志水さんがブロアーの吹き出し口を狭くしてパワーアップを図られました。結果的には大きな変化はありませんでしたが,テーパー状に口を狭くするとうまくいきそうです。こうしたアイディアが出て,実際にやってみるところが原体験らしくて楽しかったです。後で,ディンプルのないピンポン球だと球の後ろに負圧が生じてブレーキになり,距離は延びず真っすぐ飛ばないことを体験してもらいました。

高田さんの実験への熱意がつまっているような実験です。こんな大きな実験装置を1人で組み立てていたとは・・・。多少危険な香りがするのも高田さんらしいところです。それにしてもブロワー(日立製)だけの風圧で重いゴルフボールがよくあれだけのスピードで飛び出すものです。どういう原理なのでしょう。

 

■色素増感太陽電池

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加古川東高の猪股雅美さんを講師に迎えて,勤務校で「サイエンス・トライやる」研修がありました。内容は「色素増感太陽電池の製作」。太陽電池と言えばシリコン半導体しか知らなかったので,次世代の太陽電池だと知って,小学校教諭は興味津々で研修を楽しみました。二酸化チタンの焼き付けに手間がかかります(猪股さん負担)が,身近で安価な材料で製作できることにも驚かされました。起電力が弱いのですが,5個直列につないで電球を何個もガンガン照射(曇天)すると,電子オルゴールからメロディーが流れてみんなで拍手!! 準備が周到で説明も分かりやすく,達成感もあってすばらしい研修でした。

 

☆情報あれこれ

■野生とは

野良犬と野犬の違いは,という話はシートンに遡るそうです。一言で言うと,野良は一度人間に飼われた経験がある犬。それが野で交配してできた子犬は野犬になります。また,ケガをした雌シカを保護しました。そのシカが産んだ雄シカは群れに帰って夜行性になりましたが,雌シカは残って昼行性になったそうです。

 

■教育現場にタブレット導入

Hさんからの情報(泉さんが東京で)。産業界で生徒全員にタブレットを持たせて,デジタル教科書を入れる話が進んでいるが,本当に効果があるか疑問だという話です。十分に検証する必要あるでしょう。タブレットを持たせて教師がコントロールするのは,設定が大変です。もちろん,統括ソフトを使うのでしょうが。佐賀ではすでに持たせているがどうなんでしょうか,下山田さん,レポートを是非!

そういう現状を鑑みると,改めて原体験に期待したいということです。なぜなら,体験を伴わないテレビで見たものは余り残らないことは,誰に聞いても明らかでしょう。映像を見て感動するためには,それを体験しておく必要があります。実体験を伴うことによって映像体験が生かされることを,もっと原体験が声を上げて欲しいとのことでした。

院生さん達は学校現場に入った時,使わざるを得ない状況になってきますが,どう使うか良く考えておく必要がありますね。

また,教科書は年間300億円ですが,タブレットは3000億円。10倍もの経費が必要ですが,効果のほどは?「そういう時代よね」というCMがありますが,そんな無責任なことを現場は言ってられないのです!!

タブレットだけを使って理解させるより,複数の教材を使って考えた方が総合理解ができるのではないでしょうか。教科書をめくるということも,それなりに意味があるのではないのかという話も出ました。電子ブックと紙本の問題にも関連しますね。今の子はマッチが擦れません。授業でやらせると四苦八苦します。そんな、我々大人が当たり前にしてきた実体験が少なくなっていることも問題だと感じます。昔人間だと言われそうですが,微妙な力加減が培えたりするのです。

 

■バカボンに学ぶ老子

道徳教育を考えるとき、日本人の道徳観の中に儒教が深く入りこんでいることに気づきます。わたし達日本人が自然発生的な道徳観と思っていることも実は儒教の影響であることも多いのです。例えば長幼の序や親孝行などがそうです。ただ、それがよい面だけで現れているわけではありません。時には儒教的な価値観がわたし達の行動の足かせとなることもあります。概要だけでも知っておきたいものです。

老子は儒教ではありませんが、老荘思想として日本人の価値観形成に影響を与えてきました。しかし、原書はいうまでもなく解説書でも難しくてお手上げです。先日山田先生が老子の

人は地に法り、地は天に法り、天は道に法り、道は自然に法る

のお話をされてから、挑戦したいと思っていたらこんな本がありました。

images  バカボンのパパと読む「老子」 

アマゾンでは売り切れでしたが、加西の西村書店では平積みになっていました(h25/8/31)。

 

 

■新データベースについて

泉さん・中永さん・水野さんが東京まで出向いて,ティファナや科学協会の方々と協議をしてきてくださいました。お陰で,こちらの要望をかなり取り入れた,利便性の高いものになりそうです。

コラムの扱いについては,全体で内容を検討していないし,原体験の私的な意見や考えであることを明示することが必要があるという話になりました。

具体案が上がってきてから,再度,要望等を検討することになりました。

 

■蚊に刺されてもかゆくなくなった志水さん

加齢のせいではと直感的に誰もが思いました。しかし,山田先生によると,同じ環境で育った蚊に刺されているのでかゆさを感じないのだそうです。志水さんの子飼いの蚊なんですね。アレルギーは抗原抗体反応もあるが,同じ風土で同じ刺激を受けていると慣れてしまって反応しなくなるそうです。

現代っ子は,無菌室育ちのような状態なので,ちょっとした刺激に敏感に反応してしまうのです。そう言えば,昔はオシリがよくかゆくなったなあと,ギョウ虫を懐かしむような声も聞こえてきました。

 

■社の森「秋のプログラム」

10月5日実施なので,事前研修を9月28日に。内容はドングリなどを素材にして食べたり飲んだり作ったり。

 

☆Books Eye

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大西さんが,どっさり味のある本を持ち込んでくださいました。中でも,「子どもは学習とテレビを友とし・・・」と,1967年刊行の「あそび読本」の後書きに記述されていることに驚きを感じました。50年も前からすでに,子どもの自然離れを憂いていたのですね。

以前,志水さんが話題にされた昆虫食の新聞記事の実物もありました。ベスト5とありますが,私は「スズメバチのさなぎ」しか食した体験がありません。原体験メンバーとしては,全種食体験する必要があります・・・よね。話題に上がった,お高いスズメバチ酒も飲んでみます?

たしか以前横山さん(だったかな)から昆虫食の本を紹介していただいたような気がします。情報お待ちします。

 

☆本日のおやつ

廣瀬さんの今日の差し入れは,フルーツ寒天(愛ちゃんのリクエスト)+バナナケーキ。こちらは美味な方。

IMG_3395IMG_3396大西さんの持ち込みは「フィンランド人は大好きだけど世界で最もまずいお土産・SALMIAK」成分は,ジャガイモでんぷん・塩化アンモニウム・塩・着色剤・シロップなど。ゲキまずの要因は塩化アンモニウムでしょうか。それにしても何でまた???

 

 

 

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