第904回 原体験教育研究会例会 2013/06/21


 ★第904回 例会報告

参加者:山田先生,古寺さん,廣瀬さん,大西さん,泉さん,中永さん,志水さん,梶原さん,高田(要)さん,高田(昌)さん,Tedさん,向田さん,城さん,江口さん,菅野さん,鈴木さん,眞山さん

久しぶりにフル(古?)メンバーが揃いました。お陰さまで,週末で朦朧としていた頭がすっきりしました。

☆自然観察の要

■蚊帳の中でのオオムラサキ体験

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絵になります。

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これも絵になる。

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ちょっと・・・

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なんだか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

違和感が?

違和感が?

思わず笑顔

思わず笑顔

 

 

 

 

 

 

 

今日の自然観察の要は、なんとオオムラサキとの触れ合い体験です。国蝶であるオオムラサキは1頭でもさすがに堂々として風格があります。テント型の蚊帳に,学校で羽化したオオムラサキ14頭とアゲハ7頭を放しました。そこに人が入って手ですくうようにすると,手乗りオオムラサキ! ガッチリした4本の足(前足は退化)でとまられると,くすぐったくなります。アゲハはすぐ逃げようとしますが,オオムラサキは平気です。体にとまったり,そのまま高速羽ばたき(威嚇?)したりします.子ども達は,チョウの扇風機と言って喜んでいますが。休み時間は列ができ,6人3分間交代で触れ合いを楽しんでいます。

 

穴の空いた蛹←動画

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中永さんが,アゲハが蛹化するときに赤い液を出したと言われていた蛹に大穴が空いています。中は空っぽ。穴を空けた犯人はアゲハヒメバチでした。同じ時期に蛹化したのに羽化が遅れている蛹は,寄生されていることがあります。アゲハの寄生主は,大量に出てくるアオムシコバチか1頭だけ出てくるアゲハヒメバチが多いようです。子ども達は「憎っくき寄生バチ!」と感じがちですが,「じゃあ殺す?」と聞くと,命がバトンタッチされていることを思いやり「むずい〜」と困惑する子がいました。

 

■オオムラサキの孵化

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梶原さんと一緒に奈良の研究家を訪ねて,2000頭ものオオムラサキが飛び交う ゲージに入らせていただき,オオムラサキ三昧をしてきました。何頭ものオオムラサキがこちらをにらんできます。雄の翅色は美しいのですが,威圧感さえ感じるほどの迫力でした。すでに多くのメスが産卵しており,いただいた卵から1齢幼虫が孵化しました。特徴である2本の角はまだ生えていない黒っぽいヘルメット頭です。無事に育て上げるのは大変そうです。

 

 

☆Gentaiken Teachers Labo

■共振ふりこ

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要さんが自作された25㎝と100㎝の振り子は,周期が1秒と2秒です。長さの違う振り子を振らせた場合,片方がよく振れると他方は止まってしまいます。しかし,予想通り2つの振り子は,2対1で同期して振れました。 ややズレたのは,きっちり重心までの長さを測っていなかったことが原因でした。わずかな誤差が微妙に影響するのですね。しかしこの頃の要さんはアベノミクスの影響かとっても精力的、課題の追求もどんどん深くなっています。時には深すぎて誰もついていけないほどです。要さん、お手柔らかに。

 

■「考えるカラス」は面白い!

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中永さんが子ども達に見せておられるNHKの番組「考えるカラス」は,答えを教えないという異例の科学番組です。伸びてくっつく影は,初めての人には驚愕,知っていた人には懐かしさを覚えさせるネタでした。意見が分かれたのは,火のついたロウソクに瓶をかぶせると,速く消えるのは長い方か短い方か,または同時かという問題でした。これは以前,原体験で話題になり,二酸化炭素の増加ではなく酸素の減少によって消えるということで決着していました。だから同時。しかし,結果は長い方が先! 二酸化炭素の温度が高いので上から溜まってくるからでした。さらにしかし。山田先生によると,瓶の長さや大きさによって結果は違ってくるそうです。間違えたけれど,実に面白い!

 

■万葉集と天体観測

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今夜は、七夕が近いこともあり、日めくり万葉集、柿本人麻呂の

天の海に/雲の波立ち/月の船/星の林に/漕ぎかくる見ゆ

を見ていただきました。天文学者の海部宣男さんが解説されています。当時の星空は我々が今日本で見る星空とは明るさが全く違っていたと思われます。そして夜の過ごし方も違っていたことでしょう。人工の光のない闇の中で星と月が今では考えられないほど明るく輝いていたのではないでしょうか。現代のわたし達にはできない原体験だったことでしょう。夜空を見ながらこれだけのイメージを歌い上げた万葉人には驚かされます。海部氏によると、–当時は海の果てと空はつながっていたと考えていたとのこと、だから「天の海に」も自然に空と海を結びつけることができた–とのこと。確かに水平線を思い出すとその発想も納得できます。「宇宙をうたう」海部宣男著

 

☆From School

■6年「ものの燃え方」でロケットストーブ

3ビデオ撮りした授業実践を紹介しました。授業開きで仮説の「もしも原子が見えたなら」を経験している子ども達は,酸素・二酸化炭素・原子モデルを駆使して自分の考えをまとめ,班で話し合い,全体で発表してから実験して確かめました。研究授業では,レンガ・ロケットストーブを題材にして,空気の流入口の確保に関する問題に挑戦しました。

 

 

 

■5年「メダカの成長」中永の学校では子ども一人ずつに飼育させているメダカが次々と死滅(水カビ病か)・・・ピンチです(>_<)。

 

■3年「風のはたらき」で想定外

廊下に6セットのウィンドカーレーンを設置し,送風機の強弱による走った距離を計測しました。結果を散布図にまとめたのですが,強弱の距離逆転とか,弱でほとんど走らないレーンがあったりとかで,およそ対照実験にはならない結果となってしまいました。廊下のわずかな傾斜や送風機の性能の差など,いろんな問題点が明らかにはなりましたが。

 

■身近な植物名の覚え方は?

山田先生からは,ご丁寧に1つ1つの植物に名前がついているのは日本だけ。タンポポはタンポポで良いのではというお話がありました。現場からは,詳しい人に恥ずかしげもなく何度も聞く。4回聞いたら覚えられる。それができる人が覚えられる人。同僚と覚え・教え合う。数種を葉も含めて摘んでくる。子どもに質問させないでPCで調べさせ,最終判別を教師がしてあげる。何度も実物と画像を見て確認することになるので自然と覚えられる。「花の色別野草図鑑やほ〜」 http://www.paw.hi-ho.ne.jp/ya-ho/

 

■自然学校便り自然のページ

山田先生から、植物動物観察の基本についてのお話とオオイヌノフグリとその命名者とのお話は面白すぎるお話ですが、差し障りがあるためここでは書けませぬ。

 

☆Books Eye

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今日のBooks Eyeはカマキリをテーマにした絵本が2冊、そう言えばちょうど教室に持ちこんだカマキリのタマゴがかえるころです。もう1冊は変形菌ずかん、山田先生のご専門ですが梅雨の時期にタイムリーです。クモの巣図鑑は、身近にあるほとんどのクモの巣を網羅した図鑑。あいちゃんが持ってきてくれる本に外れなしです。

 

☆本日のおやつ

P1030823P1030822・アソートおかし・おいなりさん・おにぎり・パウンドケーキ

夕食抜きだったので,ありがたくお腹いっぱいいただきました。ごちになりました。

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