第902回 原体験教育研究会例会 2013/06/07


 ★第902回 例会報告

参加者:山田先生,泉さん,古寺さん,中永さん,梶原さん,高田(要)さん,高田(昌)さん,斉藤さん,Tedさん,國眼さん,志水さん,江口さん,油井さん,菅野さん,鈴木さん,眞山さん,髙相

 

☆From School

■九九の覚え方(2年生)

IMG_1676

IMG_1680

 

 

 

 

 

中永さんが九九カードを使った指導法を紹介してくださいました。

小学校の授業では九九を何秒で言えれば良いなど具体的な目標は示されておらず,何を持って「できた」と言えるかは1人ひとりの先生に委ねられている。我々も今思い返せば,簡単に覚えたように感じるが,10秒以内で覚えさせようと考えると,そこには小学校の先生方の努力が詰まっている。中永さんは「九九がんばりカード」と「九九カード」を使用して学習させているという。

ステップとしては,まず第一にどんどんカードで唱えさせる(上がり九九・下がり九九・ばらばら九九すべて)。そこで友だち同士で言い合ったり,保護者に言ったりして自主的にやらせ,詰まらずに言えるようにさせる。第二に,10秒で言えるか訓練させる。ある程度できるようになるとほぼ全員10秒以内を達成できることができる。なぜ,10秒に設定するのかというと,全員が達成感を味わえるようにするためだと中永さんは仰っていた。計算ができるという自信をもたせると,学習意欲全般を高める効果もある。また,2年でやって3年でもう一度やると完璧になるそうだ。

実践を見て,出来た感動を児童に味わわせるのは大変重要だと思いました。

また,関連して算数と体育は,児童が出来る出来ないを毎時間つきつけられる教科である。そのため,児童に算数や体育をできるようにさせると学校が楽しいところだと感じられる。 

 

■モンシロチョウの羽化

IMG_1678

IMG_2338

P1030750

 

 

 

 

 

モンシロチョウの羽化の方法及びその瞬間を見させて頂きました。

例会の時間に合わせてタイミング良く羽化させる技術は流石,高田さん。また,羽化の瞬間を待つ間に見せるスライドも,チョウがどれほどの割合で生き残るのか,羽化失敗の状態はどうなるのかなど,生物の多様性を知れるような素晴らしいものでした。

 

P1030727P1030730P1030720 - Version 3

 

 

 

 

羽化の瞬間を実際に観察して,チョウの口が初めは2つに分かれていることや,羽に体液を送って広げる為にお腹が膨らんでいることなどを観察する事ができました。

また,採集から羽化までの管理方法も具体的に知ることができ,我々院生は必死にメモを取ってました。蛹から這い出て,しわしわだった羽がみるみる広がって,最後に羽ばたく姿を子どもに見せられるように,是非実践したいです。

P1030734P1030735P1030741

 

 

 

 

手間ひまのかかる実践を毎年行っている原動力は,僕が4年生のときに一人でじっくりトンボの羽化を観察した経験です。そのときの感動を子ども達と共有したいのです。授業でツバメがヒナにエサ(羽化したトンボなど)を与える場面を動画で見せます。山田先生によると,親は口を一番大きく開けているヒナに,機械的にエサを与えるそうです。不公平が出そうですが,フンをする際,お尻を外に向けるヒナの習性によって,並ぶ順が変わってきます。統計を取ると,結果的にどのヒナにも満遍なくエサが与えられているそうです。自然はうまくできているものです。

今回みせていただいたパーツとしての画像・映像は今までに見せていただいた物ばかりです。しかし、目の前での羽化、羽化したばかりの死(燕による捕食)、羽ばたく蝶・蜻蛉と見せていただくと自分の身のまわりで自然のドラマが起きていることを実感します。これはすごい!観天望気をしのぐ大作です。 

■オオムラサキの終齢幼虫と蛹

P1030753P1030754P1030757

 

 

 

 

オオムラサキの幼虫も順調にエノキの葉を食べて育ち、蛹になりました。色も形も葉と見まがうような擬態です。脱皮殻には、ヘルメットのようなカワイイ頭部の抜け殻もついています。尾部先端のフックが重要な役割を果たしますが、紹介は次回に。

■カブトムシの蛹化の瞬間

IMG_1683 IMG_1684

 

 

 

 

 

カブトムシの蛹化の動画を國眼さんが紹介してくださいました。蛹化している姿は國眼さんが言われるように,まさに女性が1人でワンピースをスルスル脱いでいるようでした。観察している中で,どの部分がどの順序で出来てくるのか観察できた。また,蛹化するときに,直接触って体液が1滴でも出てしまうと上手く蛹化できなくなってしまうらしい。

見ててとても興味深かったのはカブトムシの大角が少しずつカブトムシのお腹からぐーっと伸びていく姿でした。また,カブトムシらしくなった後に上肢を使って蛹の皮を自分でかきむしる。そして,背中はいろんな所にこすって外す。大角だけは自分では取れないので最後まで残って時間が経っていてもみることができたりする。

羽化が大変身と思われがちですが,本当の大変身は蛹の時期です。幼虫時代の細胞が,それぞれの器官の元となる原基を残してドロドロになる。そして,新たに成虫の体が形成されていくからです。関連して,完全変態と不完全変態を子どもに分かりやすい説明の仕方について話し合いました。

クワガタの大アゴは蛹のときから形成されていますが,カブトの象徴であるあの大角が,羽化した後でニョキニョキ伸びてくるなんて想像だにしませんでした。國眼さんの大発見です!

 

■天狗チョウ

IMG_2540

P1030759

 

 

 

 

 

高校のエノキの木に,この時期大量発生するそうです。手づかみできるほど多く羽化しているのに,それまで幼虫による食害を感じることはなかったそうです。

鼻がとがっていてまさに天狗のようなチョウです。同じタテハチョウ科で食草も同じヒオドシチョウが,いかにも毛虫(毒針毛なし)なのに,テングチョウの幼虫は緑色のイモムシです。不思議な気がします。

 

☆メンバー体験記

■タンザニアの映像

IMG_1674

タンザニアの国立公園内の映像を泉さんから見せて頂きました。国立公園の中であればライオンがすぐ近くにいたり,バッファローの群れに遭遇したりするそうです。ライオンは「百獣の王」と呼ばれるが,雄ライオンは狩り(狩りも他の動物から獲物を横取りしたり,雌ライオンに取ってもらったり)をするか,寝るかしかせず正直だらしない奴でもある。

 

 

また,要さんのイネ科の植物の紹介に関連してイネ科の植物が多い所に草食ほ乳類が多いという話が出た。イネ科の植物は乾期になったら種が落ち,雨期になったら一気に実る。それを求めて草食ほ乳類が移動する。また,シマウマやヌーが一緒に移動することもあると言う。どちらも同じイネ科を食べるがシマウマは植物の上部を食べ,ヌーは下部を食べる。

またシロサイとクロサイの違いにも触れ,動物の命名法について考えさせられた。日本語でシロサイ,クロサイの二種のサイを考えたときに色の違いだと判断しそうである。

シロサイの口は真っ直ぐ平らで幅が広いのでWide(mouthed)Rhinocerosと呼ばれてた。その「wide」が「white」というに聞こえて,シロサイというふうに日本語で命名され,イネ科の植物の下部を食べているという。それに対し,口がとがっているクロサイは植物の上部を食べるらしい。動物の命名法も一見考え抜いて出されたものというように考えがちだが,そうでもないことを改めて実感…。

 

☆自然観察の要

■スズメノチャヒキ

勉強になります!

勉強になります!

一目見たらカラスムギのように見えるが違う。調べてみると和名に多く使われているチャヒキとは、カラスムギの別名であるとのこと。

「包穎のうち第一包穎は第二包穎に比べて一回り小さく、入る脈も少ない。護穎は包穎に似て一回り大きい。これらはいずれも左右から折れていて、背面は丸いか稜がある。護穎は包穎に似ているがより大きく、先端はくぼんでその間から芒が出る。ただし芒がごく小さくて目立たないものもある。全体に無毛か多少の毛があっても小花の基部から綿毛が出たりはしない。」

 

<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BA%E3%83%A1%E3%83%8E%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%92%E3%82%AD%E5%B1%9E>Wikipediaより(2013/06/08アクセス)

今の時期すごく生えているので是非探してみよう。

 

☆本日のおやつ

古寺さんがまたお菓子を持ってきてくださいました。

いつもありがとうございます。ごちそうさまでした!

 

Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です